5-6.文型6 S+V(完他)+O(直)+C

述語が完全他動詞の時の文型 その3

述語が完全他動詞であれば、基本的にはS+V(完他)+O(直)の文型で表せるはずである。実は、この文型6で表させる文章はS+V(完他)+O(直)で表した方が自然である。O(直)+Cの部分はまとめてO(直)にする方が自然なのである。
つまり、その中に主語・述語関係を含んでいるO(直)をO(直)+Cに分けたのがこの文型6である。

 

では、どのようなO(直)がO(直)+Cに変えられるのか。基本的には、O(直)が述語動詞のない文章構成S+V(be)+Pで構成されている時、このSがO(直)にPがCになるのである。

 

そして、一般的に「O(直)がCなのを」とか「O(直)がCと」というように訳される。
また、述語が知覚動詞や使役動詞で、そのO(直)が述語動詞を含む文章構成S+V~を持っている場合には、そのSをO(直)にVをCにしてこの文型で表す。

 

※もちろん、これらは従属接続詞を使いS+V(完他)+O(直)の文型で表せる。
この文型が基本文型の中でもっとも解りづらいので、この説明だけでは良く理解できないと思う。これは例題にて、しっかり理解していただきたい。

例1) 私は 彼が医者なのを 知っている。
  S O(直) V(完他)

【解説】

S⇒私は  V⇒知っている。この文章の述語「知っている」は完全他動詞である。
だから、基本的にはS+V(完他)+O(直)の形で表す。
O(直)は「彼が医者なのを」である。このO(直)の内容を良く見て欲しい。
ここでは「彼が医者である。」という主語・述語関係をもつ文章がO(直)になったと考えられる。そして、これは述語が動詞ではないのでS+V(be)+Pの形で表せる。
このような場合、このS⇒彼がをO(直)に、そしてP⇒医者をCにして、S+V(完他)+O(直)+Cの文型で表す。

 

したがって、

 

S V(完他) O(直) C  
私は 知っている 彼が 医者なのを このように単語を並べればよい。
I know him a doctor  

 

ゆえに、I know him a doctor.となる。

例2) 父は 彼女が正直だと 思う。
  S O(直) V(完他)

【解説】

S⇒私は  V⇒思う。この文章の述語「思う」は完全他動詞である。だから、基本的にはS+V(完他)+O(直)の形で表す。O(直)は「彼女が正 直だと」である。このO(直)の内容を良く見て欲しい。ここでは「彼女が正直である。」という主語・述語関係をもつ文章がO(直)になったと考えられる。 そして、これは述語が動詞ではないのでS+V(be)+Pの形で表せる。このような場合、このS⇒彼女がをO(直)に、そしてP⇒正直だをCにして、 S+V(完他)+O(直)+Cの文型で表す。

 

したがって、

S V(完他) O(直) C  
私は 思う 彼女が 正直だと このように単語を並べればよい。
I think her honest  

 

ゆえに、I think her honest.となる。

このように、O(直)S+V(be)+Pで構成されている時、このSがO(直)にPがCになる。
つまり、O(直)=C関係かO(直)の状態をCが表す関係が成り立つことがこの文型の基本である。しかし、O(直)がCと関係の無い場合にも、この文型で 表すことがある。述語が知覚動詞や使役動詞でO(直)が述語動詞を含む文章構成S+V~を持っている場合に、そのSをO(直)にVをCにしてこの文型で表 す。もちろん、この述語動詞はそのままの形で置くことができないのは言うまでもない。(分詞や不定詞に変えて置く。この分詞と不定詞については別の単元で 説明する。)

例3) 私は 彼女が歌っているのを 聞いた。
  S O(直) V(完他)

【解説】

S⇒私は  V⇒聞いた。この文章の述語「聞いた」は知覚動詞であり完全他動詞である。
だから、基本的にはS+V(完他)+O(直)の形で表す。O(直)は「彼女が歌っているのを」である。このO(直)の内容を良く見て欲しい。ここでは「彼 女が歌っている。」という主語・述語関係をもつ文章がO(直)になったと考えられる。そして、これは述語が動詞である。このような場合、このS⇒彼女がを O(直)に、そしてV⇒歌っているをCにして、S+V(完他)+O(直)+Cの文型で表す。この場合、「歌っている」は進行を表す動詞であるから現在分詞 を使って表す。

 

したがって、

S V(完他) O(直) C  
私は 聞いた 彼女が 歌っているのを このように単語を並べればよい。
I heard her singing  

 

ゆえに、I heard her singing.となる。

述語が完全他動詞の時の文型は当然S+V(完他)+C(直)で表せる。
これが基本である。そして、更にこれに特定の条件が重なってくるとS+V(完他)+O(間)+O(直)やS+V(完他)+O(直)+Cの文型へと展開していく。