5-5.文型5 S+V(完他)+O(間)+O(直)

述語が完全他動詞の時の文型その2

述語が完全他動詞であれば、基本的にはS+V(完他)+O(直)の文型で表せる。
そして、残っている語の中に「・・に」(普通「人+に」)がある場合、それを間接目的語と呼びO(間)と表す。そして、この時の文型はS+V(完他)+O(間)+O(直)となる。

例1) 私は 彼に その本を あげた。
  S O(間) O(直) V(完他)

【解説】

S⇒私は  V⇒あげた。この文章の述語「あげた」は完全他動詞である。
だから、基本的にはS+V(完他)+O(直)の形で表す。O(直)は「その本を」である。
そして、残っている語をみてみると、「彼に」と「人+に」の形になっている。
だから、この文章はこれをO(間)としてS+V(完他)+O(間)+O(直)の形で表すことができる。

 

したがって、

S V(完他) O(間) O(直)  
私は あげた 彼に その本を このように単語を並べればよい。
I gave him the book  

 

ゆえに、I gave him the book.となる。

例2) 父は 昨日 私に 自転車を 買ってくれた。
  S O(間) O(直) V(完他)

【解説】

S⇒父は  V⇒買ってくれた。この文章の述語「買ってくれた」は完全他動詞である。
だから、基本的にはS+V(完他)+O(直)の形で表す。O(直)は「自転車を」である。
そして、残っている語をみてみると、「私に」と「人+に」がある。
だから、この文章はこれをO(間)としてS+V(完他)+O(間)+O(直)の形で表すことができる。
これで文型は終了するので、さらに残っている述語動詞を修飾する副詞的語「昨日」は付加語ということになる。
そして、これは助詞を伴っていないので、前置詞は不要である。

 

したがって、

S V(完他) O(間) O(直)  
父は 買ってくれた 私に 自転車を 昨日

このように単語を

並べればよい。

Father bought me a bike yesterday  

 

ゆえに、Father bought me a bike yesterday.となる。

※S+V(完他)+O(間)+O(直)を S+V(完他)+O(直)に変換する。
間接目的語は文章を構成する上で直接必要ではない。
それならば、本来この間接目的語は付加語にする方が自然である。
したがって、当然この変換が考えられる。
間接目的語の「人+に」を付加語に変えるのであるから、この「に」という助詞は前置詞にしなければならない。このとき使われる前置詞は「to か  for」のどちらかである。普通toを使うが、述語動詞がmake(作る)cook(料理する)buy(買う)get(買う)sing(歌 う)play(演奏する)draw(描く)find(見つける,供給する)leave(残しておく)choose(選ぶ)などの場合、forを使う。

■例1と例2を変換してみよう。

S V(完他) O(間) O(直)
   
 
S V(完他) O(直)

 

例1) I gave him the book.
   
  I gave the book to him.

 

例2) Father bought me a bike yesterday.  

       
  Father bought a bike for me yesterday.  

 

このように変換できる。